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L5G第3回(3/4):ソフトウェア開発

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2022/05/26 No.055━━━

マルツエレック様と連携したメルマガの第3回です。
今回は「ローカル5G基地局実験キット」のソフトウェア開発を解説します。

 基本の5Gアプリケーションはオープンソースソフトウェア(OSS)であり、Open Air Interface(OAI)を採用しています。OAIはフランスの大学院大学であるEURECOMが設立したコミュニティです。弊社では2019年にアソシエート・メンバーとして参加しました。その当時、コロナ直前でしたので2019年北京で開催されたFace-to-Faceのワークショップに参加することが出来ました。技術的な情報交換するにも顔見知りであることは重要です。メールの回答が届くと嬉しいものです。この2022年の7月には、久しぶりにFace-to-Faceのワークショップがパリで開催の予定です。

 この3年の間に、OAIの戦略メンバーとしてQualcomm,Meta(Facebook),Xilinxなど強力な会社が参加しました。特にMetaはOAIのプログラマーを大々的に募集するなどの大きな貢献があり、5GのStand Alone(SA)が一気に加速した気がしています。Linux,Androidなどオープンソースの力は偉大です。日本ではワールドワイドで通用するOSSは少ないですね。OAIでは富士通様がかなりの貢献をしており、特に安定性など品質面で成果を築いています。もっと多くの日本企業に参加を期待します。下記がOAIのメンバーリストの上部です。弊社のロゴが見えます。これ以降はOAIのホームページを参照下さい。中国の技術系大学が多くみられます。

OAI Members

OAI Members

 OAIのアプリは、少し古いですが、Ubuntu18.04 Low Latency Kernelで動作させます。Github上にソースコードはあります。”手順通りにインストールすると動作します”なんてことは決してありませんので注意下さい。開発者が何百人は存在すると思います。毎週更新されてバージョンアップされて行きます。ビルド出来るようにはなりますが、数秒で落ちることは普通です。メモリ・リークするなどバグがが多くあります。LinuxではRed-HutやCent-OSのディストリビューションがありますが、OAIでも評価したリポジトリを提供する会社もあります。弊社ではOAIに詳しい方に頼りっぱなしでビルドし、デバックを進めています。

 OAIで良く使われる無線部分のハードウェア(HW)は、USRPと呼ばれるSDR(Software Defined Radio)装置です。今回の基地局開発では、弊社のHWを使いますので、USRPのソフトウェア(SW)を参考にして移植(ポーティング)を進めます。参考になるものがあることは心強いと感じますが、実際にはOAIアプリとUSRPインターフェース(IF)部は、USRPの機種が多いために整理出来ず、複雑になっていました。しかしながら、ゼロから弊社のHWのIF部のプログラムをコーディングするには多大な工数を要します。複雑とはいえ、動作している”神様パターン”があり、比較しながらデバッグ出来る方が得策です。UHD(USRP Hardware Device)のIF部の下にiHD(iDAQS Hardware Device)を組込む形でプログラム設計を進めています。下図を参照。

UHD_iHD

UHD_iHD

プログラムの分担をハードウェア構成に加えてみました。主に5人設計者が下記の図の設計を担います。
1.FPGAロジック設計:DDR4,10G PHY,JESD204BのIF設計、OAIのタイムスタンプ機能
2.IIOプログラム設計:AD9986のMxFEチップ制御、PetalinuxブートSDイメージ作成
3.iHD-IFプログラム設計:UDPデータ転送、OAI-IF設計、Ubuntuプログラミング
4.OAIプログラム設計:OAI(RAN.5GC)ビルド、5G動作チェック、3GPP
5.5G全般設計:RF信号品質チェック、クロック分配

 大人数ではありませんが、少数精鋭の設計者により開発を進めました。完成は目前です。

プログラム分担

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