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L5G第4回(4/4):工事認証(技適)の試験

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2022/06/17 No.057━━━

この6月8日に一般財団法人)電気安全環境研究所(JET)様にて、弊社のローカル5G基地局実験キットの工事認証(技適)の試験が行われました。弊社では初めての認証試験です。結果は1点だけ30MHzのスプリアスが規定値から3dB程超えて不合格でした。しかしながら、懸案であった隣接チャネル漏洩(ACP)は不問であったことや、出力パワーが+20dBmの設定値に対して+2.5dBmのオーバーはプログラムのゲインを変更しパワーを抑えてその場で対応しました。このようなことで、はじめてにしては私は上出来と捉えていますが、皆様は、落ちたのだから厳しい評価でしょうか?

その不合格となった問題のスプリアスが下記の図です。30MHzにスプリアスが見えます。早速、RF部の設計元であるラジアン社様と対策を検討して頂きました。

NG_30MHz

先ずは、単体評価を行い次のような性質を確認しました。

1.安定化電源で独立させても発生するため、PA内蔵DC/DCの1次ノイズがベースバンドへ回り込んだものではない。
2.無変調時にはこのスプリアスは皆無で、広帯域変調時のみ確認される。従ってPA内蔵DC/DCノイズ由来ではない。
3.変調信号の搬送波周波数を変えても30MHz付近のスプリアスの強度、分布は全く変化しない。
4.PA入力レベルを変化させると、それに応じて30MHzレベルも同等に変化する。

以上のことから、変調波のベースバンドがそのままPA出力から漏れていると想定される。この原因と回避方法を説明する。

Schema

ポイント①と②は概略図と回路図で同一のポイントを示している。
ポイント①の直ぐ上に電流検出用の抵抗10Ωがあるが、ベースバンド信号の振幅に応じた電流変動がここで電圧に変換される。
ドレイン経路のパスコンでこの電圧変動が完全には除去出来ないため一部がPA出力から漏洩している。

CAP
LPFとFETの間にあるC14(100pF)を50pFにしてハイパス効果を持たせて30MHzスプリアスを減衰させる。
瞬時パワー20Wに耐えるため100pF100VのRF用セラコンを使用しており、これを再使用するため2個直列で対応する。

効果: PA入力:-20dBm WLAN 11a BW=18MHz PA出力:ATT10dB+ U3771
PA1: スプリアス強度は10 dB近く改善した PA2: スプリアス強度は10 dB近く改善した。
After_Modify
PA2号 改造前と改造後
1dB程のパワー低下が見られるが問題ないレベル。100pFの寄生インダクタンスの影響と予想する。
PA2_Signal
このような良好な結果のため、翌週にはJET様に再試験で伺い、合格していることでしょう。

本メールは各種展示会にて、ADI,Xilinx,RFtestLabや弊社にお立寄り頂いたお客様や
訪問し名刺を頂きましたお客様に配信しております。  2022/05/23 No.56

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